社会福祉法人 山梨県 障害者福祉協会

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令和6年6月1日特別号共生

発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内正直
事務所 甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
電話 : 055-252-0100戟@ファックス : 055-251-3344
E-mail : info@sanshoukyou.net
URL : http://www.sanshoukyou.net/
この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。


法律、条例、プランというと、関心がない方も多いかと思います。ただ、「私たちのことを、私たち抜きに決めないで」という障害者権利条約制定の際のスローガンのとおり、自分たちについてどういうことが決められているか知ることがとても大切です。
このたび、障害者幸住条例が改正され、障害児・障害者プラン2024が策定されました。ほんの入口ですが、内容を紹介します。
〇山梨県障害者幸住条例ってどんなもの?
障害者の自立や社会参加支援のための施策、福祉のまちづくりの推進、障害を理由とする差別の解消などを定め、障害者が生きがいを持ち、幸せに暮らすことができる社会を築くことを目的として平成5年に制定されました。
〇どんなことが書かれているの?
@条例の目的や基本理念、言葉の定義など。
A共生社会を実現するため、県が重点的に取り組む福祉施策の方向。
B安全かつ快適に利用できるバリアフリーの施設を増やす取組。
C不当な差別的取扱いの禁止や障害者差別の解消に関する取組などが書かれています。

@基本理念や言葉の定義などでは、条例共通の考え方が書かれています。 たとえば、基本理念については、障害がある人は、あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること、障害についての問題が県民全員の問題として認識され、理解を深めることが重要であることなどが書かれています。
A障害者の福祉の推進では、障害のある人が暮らしにくいと感じている施設・制度・考え方をなくすための啓発、きめこまかい医療の提供、就業機会の確保、福祉、サービスの確保など幅広く定められています。
B福祉のまちづくりでは、障害のある人が自由に簡単にいろいろな活動に参加できるようなまちづくりをすすめることが書かれています。たとえば、バリアフリー法の対象ではない小規模建物のうち飲食店、銀行、商店など日常生活や社会生活と密接に関係のある建物について整備基準を設けています。法律に加え、さらに条例で基準を設けている訳です。
C障害を理由とする差別の解消では、2つのことが定められています。

1不当な差別的取扱いの禁止:県と事業者が正当な理由なく障害を理由としてサービスの提供を拒否したり、条件をつけたりすることを禁止しています。
2 社会的障壁の除去のための合理的な配慮:県と事業者は障害がある人から、社会的障壁の除去を必要だという意思の表明があったとき、負担が重すぎない範囲で合理的な配慮を提供する義務があると定められています。社会的障壁とは、建物、設備、制度、慣習、考え方など障害のある人にとって生活の障壁となることをいいます。また、差別の解消のため、障害者差別地域相談員を各地へ設置すること、障害者差別解消推進員を県に設置すること、障害者社差別解消ネットワーク会議の設置が定められています。

〇どんなところが改正されたの?
事業者の合理的な配慮が努力義務から義務となりました。今年4月1日から改正障害者差別解消法が施行され、事業者の合理的配慮が義務となったこととに合わせ、条例でも義務としたものです。この他、条文が2つ付け加えられています。
1つは、人材育成に関するもので、障害者差別地域相談員の育成・確保のための情報提供、研修など必要な施策を行うこと。
二つ目は、情報収集・整理・提供です。県は障害を理由とする差別や差別解消のための取組みについて情報の収集・整理、提供を行うよう努めることが定められました。
条例などでは合理的配慮、正当な理由など抽象的な言葉が使われていて、実際のケースに対応するには事例の収集が重要です。

〇山梨県障害児・障害者プラン2024とは。
共生社会実現や障害者福祉の増進といっても実際にどう進めるかが重要です。「山梨県障害児・障害者プラン2024」は県が市町村や関係機関と連携しながら医療、雇用、教育、地域の安全、防災などあらゆる分野を含めて総合的、計画的に障害者福祉施策を進めるための基本指針です。なぜ、「2024」かというと、社会の状況がかわれば、それに合わせ、やるべきことも変わってきます。そのため、計画は見直すことが必要です。山梨県では平成10年2月に「やまなし障害者プラン」を策定したのち7回の見直しをへて新たに2024年度から始まるプランとして策定しました。計画期間は令和6年から8年度(2024年度から2026年度)です。

〇計画の概要。
(1)5つの計画を総合して策定したものです。障害者福祉の増進や共生社会の実現を進めるため、さまざまな法律で計画を作ることが求められています。それらの計画は互いに関連しており連携して進めることが効率的です。 このプランでは5つの計画を統合して策定しています。
1障害者計画、
2障害福祉計画、
3障害児福祉計画、
4障害者文化芸術活動推進計画、
5読書バリアフリー計画。
5の読書バリアフリー計画は、新たなに加えられたもので視覚障害がある方などが、読書ができるよう環境整備を進めて行こうというものです。

〇プランの基本的な考え方。
基本理念は条例とおなじく、共生社会の実現です。プランでは、「障害者の意思決定支援」、「制度や施設などの利用しやすさ向上」、「きめ細かい支援」、「社会参加の推進」など基本的な視点が定められています。
今回はあらたに、1重度障害者及び家族に対する支援体制の充実、2情報格差解消に向けた施策の推進という2つの視点が加えられました。

〇プランでは障害者福祉が直面している課題を踏まえ、3本の柱をもとに施策を体系化しています。
施策の柱1 誰もが暮らしやすい潤いのあるまちをつくる。
施策の柱2 望む場所、快適な環境で自分らしく暮らす。
施策の柱3 自らの力を高め、いきいきと活動する。
1の誰もが暮らしやすい潤いのあるまちをつくるでは、障害のある人に配慮したまちづくりの総合的な推進、障害を理由とする差別の解消の推進、外出や移動などの支援などの施策が体系づけられています。
2の望む場所、快適な環境で自分らしく暮らすでは、自分で選んだ住まいで、自ら描く人生を進んでいくことができる、障害福祉サービス等の充実・質の向上保健・医療の充実などの施策が体系づけられています。また、今回は新たに、重度障害者への支援体制を充実するため専門人材の育成や障害福祉サービスの充実が新たに体系づけられています。
3の自らの力を高め、いきいきと活動するでは、インクルーシブ教育の推進、雇用・就労・定着に向けた障害者雇用の促進、障害者スポーツの推進、文化芸術活動の充実などの施策が体系づけられています。また、あらたに行政サービス等における配慮の推進、意思疎通支援の充実、読書バリアフリーの推進が体系づけられています。これらの施策について53項目の数値目標が定められています。

〇また障害福祉計画・障害児福祉計画の中で地域生活移行・就労支援等に関する成果目標及びサービスの見込量などが定められています。
@計画づくりの視点は7つあります。
1障害者の自己決定を尊重し、必要なサービスその他の支援を受けつつ、自立と社会参加を実現できるよう、障害福祉サービスなどの提供体制の整備の推進。
2市町村を実施主体とした、障害種別によらない一元的な障害福祉サービスの提供体制の整備の推進。
3地域の社会資源を活用したサービス提供体制の整備の推進や精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築の推進。
4地域共生社会を実現するための取り組みの推進。
5障害児のライフステージに沿った、切れ目のない支援を提供する体制の構築の推進。
6障害福祉人材を確保・定着するための取組の推進。
7文化芸術活動及び情報の取得利用・意思疎通支援の推進による、障害者の個性や能力の発揮及び社会参加の促進。また、7項目の成果目標を定め、それぞれに目標値などを設定しています。
【成果目標1】福祉施設入所者の地域生活への移行。
【成果目標2】精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築。
【成果目標3】地域生活支援の充実。
【成果目標4】福祉施設から一般就労への移行等。【成果目標5】障害児支援の提供体制の整備等。
【成果目標6】相談支援体制の充実・強化等。
【成果目標7】障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築。
以上、条例とプランの概要です。関心をお持ちいただき、県のホームページなどご覧いただければ幸いです。

〇山梨県精神障害者家族連合会からのお知らせ。
精神疾患に対する誤解や偏見は、社会の中にも、私たち自身の中にもあります。私たちは苦しみの中から、相談できる仲間(家族会)とつながり、「癒し合い・支え合い・学び合う」ことで救われてきました。お一人(あなたの家族だけで)悩むのでなく、是非ご相談ください。
相談日:毎月第2木曜日 午後2時〜4時30分相談日は柔軟に対応いたします。
場所:山梨県立北病院 「のびる」。予約制ですので、ご連絡ください。
予約連絡先:090-8305-0457 平日午前8時〜午後6時 北病院家族会 渡邊  k-soudan@mx3.nnc.ne.jp

〇お詫び 共生第113号2ページの「花田はるおさんが「障害者自立更生等厚生労働大臣表彰」を受賞」の記事において、花田様の名前の漢字が「晴れ」のところ、「春」となっていました。御本人及び関係者の皆様に御迷惑をおかけしたことを深くお詫びいたします

編集委員会

委員 田端 康三 山梨県手をつなぐ育成会
委員 川ア 博史 山梨県精神障害者家族会連合会
委員 角田 貴弘 山梨県視覚障がい者福祉協会
事務局 坂村 裕輔 山梨県障害者福祉協会
印刷所 亀山 輝喜 有限会社 藤屋紙工

この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。