社会福祉法人 山梨県 障害者福祉協会

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令和2年1月1日第96号共生

発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内正直
事務所 甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
電話 : 055-252-0100戟@ファックス : 055-251-3344
E-mail : info@sanshoukyou.net
URL : http://www.sanshoukyou.net/
この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。


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年頭のご挨拶

山梨県知事 長崎幸太郎 ながさきこうたろう

 新年明けましておめでとうございます。山梨県障害者福祉協会の皆様方には、令和2年の新春を健やかにお迎えになられたこととお慶び申し上げます。また日頃から、竹内理事長をはじめ会員の皆様方には、本県の障害者福祉行政の推進に御理解と御協力をいただき深く感謝申し上げます。
さて、障害者の自立と社会参加については、障害者総合支援法に基づき、障害者の望む地域生活の支援や、障害児支援のニーズの多様化へのきめ細かな対応、サービスの質の確保・向上に向けた環境整備などにより、その推進が図られているところです。
本県におきましても、山梨県障害者幸住条例に基づき、障害のある方や家族の方が安心して地域で生活できるよう、不当な差別的取扱いの禁止や合理的な配慮の提供、障害を理由とする差別に関する相談体制の整備のほか、経済的自立や社会参加への支援に向けた施策を積極的に展開しております。
特に、経済的自立への支援として、農福連携推進センターを中心に、農業分野での就労の推進、新たな共同受注窓口の設置など、働く場の拡大による工賃向上への取り組みを進め、また社会参加への支援として、「山梨県障害者文化展」や「山梨県障害者芸術・文化祭」をはじめとする発表の場を確保するなど文化芸術への支援を行うとともに、各種スポーツ大会の開催や全国大会への派遣を通じて障害者スポーツの後押しをするなど、障害のある方々が活躍できる環境の整備を進めているところです。
今後とも、障害のある方もない方も、共に幸せに暮らすことができる共生社会の実現を目指し、従来にも増して障害福祉行政を推進して参りますので、皆様の一層の御理解と御協力を賜りますようお願いいたします。
結びに、新たな年が会員の皆様と御家族の皆様にとりまして、幸多きものになりますよう、心から祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

氷が溶けたら

社会福祉法人山梨県障害者福祉協会 理事長 山梨県障害者福祉ふれあい会議 会長 竹内正直 たけうちまさなお

 明けましておめでとうございます。ことしも、変わらぬご指導ご支援がいただけますよう宜しくお願い申し上げます。
私の敬愛してやまない元小学校の校長先生の話で、「氷が溶けたら何になる」と生徒に問いかけたところ、一人の生徒が「氷が溶けたら春になる」と答えたと聞きました。
「水になる」とは言わなかったこの生徒の言葉には、待ち切れない春の予感が、さぞ小さな胸に膨らみ溢れていたことだろうと推察されます。
今日こんにちの、お金に換えて量る障害者福祉から、眩しいほど輝いた優しさに満ちた手作りの福祉に一層の磨きをかけて、支え合い、補い合い、満たし合う福祉を心掛けて参りたいと思います。
ことしが、限りなくご清福ご清適でありますよう祈り上げております。


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あいおいニッセイ同和損害保険株式会社様からのご寄贈

 10月17日、あいおいニッセイ同和損害保険株式会社山梨支店の吉田聡支店長様から、地域貢献の取り組みの一環として「山梨クィーンビーズホームゲーム観戦チケット」を多数ご寄贈いただきました。
社会参加の推進や障害者スポーツの振興に向けて有効に活用させていただきます。大変ありがとうございました。
『山梨クィーンビーズ』“山梨に根付いた日本一のクラブチーム”を目指し、Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)に参戦。今季は8位以上を目指す。県内ホームゲームでは、身近でトップリーグの試合に触れられる。

第30回 障害者の主張大会 開催

 12月5日(木)山梨県防災新館にて「第30回障害者の主張大会」を開催しました。9名の方がそれぞれの思いを熱心に発表されました。今回は30回目を迎える記念の年で、それにふさわしい素晴らしい主張ばかりでした。作文をご覧になりたい方は本協会までお問い合わせください。
※障害者の主張大会は毎年、障害者週間中に開催をしています。
【最優秀賞】小池英二 こいけえいじさん
【優秀賞】埜村和美 のむらかずみさん
【第30回記念特別賞】小佐野松雄 おさのまつおさん
【特別賞】吉村圭子 よしむらけいこさん 相澤幸雄 あいざわゆきおさん 小澤広希 おざわひろきさん 藥袋惇平 みないじゅんぺいさん
【努力賞】舟久保市子 ふなくぼいちこさん 田中瑞恵  たなかみずえさん
「一筆(ひとふで)の主張」
「一筆の主張」は主張大会に併せて、より取り組みやすい「詩」と「川柳」を募集したもので、今年で4回目になります。詩は15篇、川柳は153句の作品が寄せられました。入選された10名の方をご紹介します。
(詩の部3名、川柳の部7名)
<詩の部>
入選1位『正しいものは』河田妙子さん
入選2位『時の願い』風姫さん
入選3位『無題』小林浩太朗さん
<川柳の部>
入選1位 乙黒初音さん
入選2位 春夏秋冬さん
入選3位 埜村和美さん
入選4位 伊東一敏さん
入選5位 大森雄山さん
入選6位 石倉聰子さん
入選7位 天野裕一さん
なお、「一筆の主張」応募作品は、本協会のホームページでご覧になれます。
(最優秀賞)「愛」と「ゆるし」小池英二 こいけえいじ
 先ずはじめに私の全てをさらけ出し、ここで発表することが怖かった。しかし、殻を破り少しでもこの体験を共感してくれる人達を願い、この世の中に、この体験談を還元していくことを誓います。


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私の病気を受け入れるまでのつらい葛藤からお話し致します。
私がこの統合失調症という病名を頂いたのは十八歳の時でした。初めは「病気じゃない!病気なんかじゃないんだ!」と主治医さえも疑い、受け入れることができませんでした。
受け入れるのに七年間の月日を要しました。入退院を繰り返す長い長いトンネルの日々でした。受け入れるきっかけとなった言葉がありました。主治医からの一言でした。
「病気になったのには意味がある」この言葉の不思議な力により難病と向き合えるようになりました。しかし、意味があるということは、「自分に問題があった」ということだと気付きました。
それからは、この病を「問いかけ」として捉えるようになりました。この病を受け入れた瞬間でした。
でも、思うように働けない自分に嫌気がさし、身近な親にこのやり場のない思いをぶつけていました。今思うと両親には私のことを思うと夜も眠れない程、心配していただろうと思います。
なぜなら私は二十九歳の時、結婚して、一人の娘を授かりました。子供のことを思わない親は一人としていない気持ちを味わったからです。
子供を授かったということは使命があると気付かされました。それから幼少から修練していた剣道をはじめ、日々(毎日)一千本から二千本、面をかぶり素振りを行いました。
暑い暑い夏も、寒くてかじかむ冬も一日も休むことなく行いました。
そして、三十三歳になって初めて大学に入学致しました。大学に行っても悩みは尽きませんでした。というか、大学に入ってからの方が辛い日々が続きました。それを忘れるために、一生懸命、勉強しつつ剣道もしました。
大学二年の後期の一月七日に第二子のせがれが誕生致しました。それにより、二年の三月三十一日を以て山梨に帰郷することになりました。そして両親に買って戴いた家で家族四人で幸せに暮らしていました。
しかし住んでから五年目に土木委員長とPTAの会長を受けることになりました。忙しくて苦しい日々が続きました。それは、妻の精神状態は限界で、支えてあげる努力もしたのですが、ある朝、書き置きがあり、「もう限界です!」と・・・・。
子供二人を連れて遠い名古屋の家に帰ってしまったのです。私はショックであ然として立ち直れませんでした。愛する家族を失ったからです。
結局、裁判までして私は家族を失いました。苦しい苦しい日々が続きました。二人の愛する子供と妻を失ったからです。これが私の人生の全てです!
でも、いつもそばに父と母がいてくれました。私が寝室で「上を向いて歩こう」を聴いていると、両親も一緒に泣いていてくれていたそうです。私も胸が張り裂けそうでしたが、父と母はそれ以上に私のことを思い、辛い辛い思いをさせてしまいました。
こんな波乱万丈な人生でも、もっと苦しんでいる人がいると気付かされた場所があります。
ぎんが工房の内藤施設長が私と母に仕事をくれました。ぎんがの皆は、車いすの人もいます。でもリハビリで必死に立って歩こうとする姿を見た時、自分よりも苦労している人達がいると思い、安心した居場所が見つかった思いがして「ほっ」としました。
私は最愛の妻との幸せはあまり長くは続かなかったけれども、今は感謝しています。なぜなら、私に試練を与えてくれたからです。憎み、うらむときもありましたが、ここを一歩、前向きになって歩くには、相手を「愛し」、「ゆるす」こと!が必要だと悟りました。この世の中、世界は「愛とゆるし」という大きな神様がいることを知ったのです。 家族を失って三年経とうとしています。でも、今の私は、今までの私と違います。
「愛する」ことと「ゆるす」ということを覚えたからです。この大宇宙の真理も「愛」と「ゆるし」で出来ていると思います。統合失調症は治すことは難しいといわれています。しかし、この病気と向き合いながら前向きに一つ一つ丁寧に乗り越えていきたいと思います。そして最後に、今まで苦労をかけ続けてきた両親にこんな私を産み育ててくれて、寄り添ってくれて、本当に有り難うという感謝の言葉を捧げたいと思います。
「お父さん!お母さん! 本当に、本当に、ありがとう!」

主張大会のポスター掲載の絵画小林さん(かえで支援 中学部)総理大臣賞

 今年度「障害者の主張大会」ポスター掲載の小林健太郎さんの作品が、内閣府主催の“障害者週間ポスター募集事業”で、中学生部門の最高賞に当たる内閣総理大臣賞に選ばれました。
受賞作は、小林さんがあこがれるスウェーデンを背景に様々な障害者の皆さんお一人お一人が生き生きと描かれています。


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長崎知事に、来年度の障害者福祉施策について要望

 山梨県障害者福祉協会では、10月24日(木)、竹内理事長と馬場副理事長、今井副理事長、佐久間副理事長が県庁知事室において、長崎知事に「令和2年度の障害福祉に関わる施策要望」を提出するとともに、県障害福祉課の小澤課長にその具体的な内容を説明し、検討と実現を要望しました。
また、検討結果については、本協会理事会等において適時に説明していただけるよう併せてお願いしました。
なお、今回の要望は全49項目ですが、内容については本協会ホームページをご覧ください。

障害者への理解 街頭で呼び掛け

 障害者への理解を深めてもらおうと、県と県障害者福祉ふれあい会議(竹内正直会長)は、障害者週間(12月3日〜9日)の初日朝、JR甲府駅およびイオン甲府昭和店頭で普及・啓発キャンペーンを実施しました。
同会議のメンバーや県の職員ら約40人が、各機関の障害者への支援内容や同週間の行事などを紹介するチラシ1,000部と啓発物品を配布し、広く一般県民に障害と障害者に対する理解を呼び掛けました。(写真左は甲府駅頭、右はイオン店頭)

「第46回 ジャンボひまわりの集い」 開催のお知らせ(障害者のための婚活パーティー)

 未婚の障害者の“出会いの場”として開かれる「ジャンボひまわりの集い」が、今年度はつぎのとおり開催されます。
日時 令和2年3月1日(日)午前10時30分〜午後4時
会場 山梨県立図書館1階 イベントスペース
主催 山梨県
参加費  2, 000円
対象者 原則として障害者を対象とします。
※ 参加には事前の申込が必要です。お問合せまたは詳しい内容をお知りになりたい方は、本協会までお問い合わせください。(電話055-252-0100 担当 守屋)

編集委員会

委員 田端 康三 山梨県手をつなぐ育成会
委員 原 庚徳 山梨県身体障害者連合福祉会
委員 川ア 博史 山梨県精神障害者家族会連合会
委員 角田 貴弘 山梨県視覚障がい者福祉協会
事務局 橋 充幸 山梨県障害者福祉協会
印刷所 亀山 輝喜 有限会社 藤屋紙工

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