平成29年1月1日第84号共生
発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内正直
事務所 甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
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この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。
年頭のご挨拶
山梨県知事 ごとうひとし
新年明けましておめでとうございます。日頃より、竹内理事長をはじめ会員の皆様方には、本県の障害者福祉行政の推進に御理解と御協力をいただき、深く感謝申し上げます。
さて、障害者の自立と社会参加については、基本原則を定めた障害者基本法の改正や障害者差別解消法の制定などを経て、障害者の権利に関する条約が批准されるなど、様々な改革が進められております。
本県におきましても、この機会を捉え、障害のある人もない人も分け隔てなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら生活する共生社会の実現を目標に「障害者幸住条例」を全面的に改正し、昨年4月から施行したところであります。
この条例では、具体的な取り組みとして、県と事業者に対する、不当な差別的取り扱いの禁止や合理的な配慮の提供、障害を理由とする差別に関する相談体制の整備などを規定しており、障害者差別地域相談員や障害者差別解消推進員を新たに配置するなど、差別の解消のための取り組みを強化いたしました。
さらに、今年は県の障害者施策の目標を定めた「やまなし障害者プラン2015」の最終年度を迎えることから、目標の実現に向け鋭意努力していくとともに、昨年6月に制定され、平成30年4月から施行される改正障害者総合支援法を踏まえ、障害のある人が望む地域生活の実現に向けた具体的な取り組みについて、関係者の皆様の声をいただきながら検討して参りたいと考えております。
今後ともこれらの取り組みを通じて、誰もが社会の一員として互いを尊重し、支え合って暮らす共生社会の実現を目指して、障害福祉施策を推進して参りますので、一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。
結びに、新たな年が会員の皆様と御家族の皆様にとりまして、幸多きものになりますよう、心から祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。
改年の先
社会福祉法人 山梨県障害者福祉協会 理事長 山梨県障害者福祉ふれあい会議 会長 たけうちまさなお
明けましておめでとうございます。 年が改まるということは、このときを無事迎えることのできた人にとって、おのれの心の季節が改まることではないかと考えております。
人の季節とは、その先行きに禍福を問わぬさまざまな未知が待ち受けており、それに立ち向かう非凡とこっきの力量が試される機会で、ここを如何に生きるかの覚悟が、出自や立場の違いにかかわりなく強いられることとなる折だと思います。
その覚悟の第一日が元旦だと私は心得て、今日までこの日を重ねて参りました。
改年の第一日を迂闊に過ごすと、次の一歩が拾えなくなる怖れがあります。何故なら、次の一歩が必ずしも平穏な明日を約束することがないからです。
人は怠りない時間を、非情に生きています。遣り直しや取り返しのできない人生だからこそ、常にたった今を眞剱に生きること、誇りをもって生きることこそ、今日の生命を間違いなくあすに繋げることができると信じています。
新年は昨日の続きには違いありませんが、その鮮度は迎え方にあると思います。
第27回障害者の主張大会を開催
去る12月8日(木)、山梨県防災新館にて第27回障害者の主張大会を開催しました。
今回は9名のかたが参加されました。自分をまっすぐ見つめ、挑戦する心や感謝の気持ち、共生社会に向けた希望など、熱意のこもった主張を発表されました。結果は次のとおりです。
最優秀賞 よしださおり
優秀賞しらはまあきこ
特別賞こばやしゆきえ おざわひではる あまのゆきこ なかむらめぐみ 以上4めい
努力賞まえばかずや しも村ひさし おかべたろう 以上3めい
障害者の主張大会では障害のあるかたのひごろの思いや夢や希望を主張発表していただいておりますが、今回、主張作文とは別に ひとふでの主張と題し、川柳と詩の募集を致しました。
応募人数54名、114点の作品が寄せられ、この作品の中から入選10名が選ばれました。
詩の部 入選1位 質素な時計 しんどう まなぶ
入選2位 無題むらたりょうへい
入選3位 秋から見つめて あらいじゅん
入選4位 笑顔でいる事を忘れない いのうえまき
入選5位 わかってほしい事 よしださおり
川柳の部 入選1位 しがらみの 自在の揺れに 道あらず ありいずみまさひろ
入選2位 杖の音 一歩下りて 道譲る さのかおる
入選3位 道端の 枯葉で止まる 車いす かずひさ
入選4位 白杖よ 花とさっくの やそじざか いぐちさだこ
入選5位 手をつなぎ 声をかけあい 越える坂 のむらかずみ 作品の一覧はホームページに掲載いたしましたので、ご覧ください。
最優秀賞受賞作文 自分との戦い よしださおり
私の病気は、統合失調感情障害です。ちいさいころから何かあるとすぐに大声で泣きあばれていました。
「自分を見てほしい」という気持ちが強く階段からおちてみたり、手や足や顔をカベにうちつけてみたりしていました。
そんな毎日をくりかえしているうちに、周りの人はみんな変な目で見るようになり、自分もふくざつな気持ちになりました。
高校一年生のころからジショウはさらに強くなり刃物を使い、うでを切ったり、足を切ったり、お腹を切ったりしました。職員には「お前ふざけんなよ。ジショウをしてみんなをふりむかそうとするな」「いいかげんにしろ」そんな言葉でしか対応してくれませんでした。
幻聴も聞こえるようになって地獄の日々。「自分なんか生きていてはいけない」「私が生きていたらめいわくだ」「死ね死ね死ね」ずっとそんな言葉が頭の中によぎり二十一才の年、私は飛びおりをしました。
命は助かりました。腰を骨折して県立中央病院に二ヶ月ほど入院しました。
でも私は、「死ねばよかったのに」って強く思いました。病院を退院してからもリストカットは止まらず自分を毎日きずつけました。そのたびに涙を流し ずっと泣き続けました。
「自分はどうして生きなきゃいけないの?」「母親にも父親にも手離されて今までかかわってきた人達にも手離されておばさんにもおじさんにも手離された」「そんな自分なんか必要ないでしょ?生きてちゃいけないんだよ。自分なんか」またそんな思いが自分をくりかえしくりかえし苦しめました。
そんな思いをかかえたまま四年が経ちました。あいかわらずリストカットも前にくらべて多くなり、マイナスな考えもぜんぜんかわりませんでした。
二十五才の時 私はまた飛びおりをしました。今回も命は助かりましたが、腰の骨を一本、背中の骨を二本、左足の骨一本、首の骨を骨折し県立中央病院で三か月半入院しました。
そのあと、県立中央病院の精神科に入院する事になり病院生活になりました。不思議と精神科では、笑顔で生活できました。なんでかなって考えてみると理由が一つありました。
精神科には、さまざまな人がいますが、私みたいにリストカットをしている人や飛びおりてしまった人達もいました。
そういう人達と話をしているうちにおたがいがわかりあえる友達になり笑顔になれたんだと思います。
入院中ある一人の女性に出会いました。その女性は私と同じでリストカットをしていました。初めて会った時その女性に声をかけると笑顔で返事をしてくれました。その日から私と女性は毎日話をするようになりました。ある日話題はリストカットの話になりました。女性は家族とうまくいかなくてつらくてリストカットをしていると伝えてくれました
。私は、家族というのをしらずに育ってきたけどうまくいかない事は何回もあったので一言いいました。「あのね、私はお父さんとお母さんに ちいさいころ手離されて、施設にあずけられたから家族というのを知らないんだけどつらかったらつらいって言っていいんだよ。
家族に言えなかったら誰かに助けて下さい。今困っているって言っていいんだよ。だって今わたしに家族の事でつらいって言ってくれたじゃん。だから伝えて。私はあなたの困ってるって事ちゃんと聞くから、うまくいかない事もあるけどうまくいく事だってある。
うまくいく可能性を信じてみたら?」そう言いました。その時女性は、涙を流しながら「ありがとう」と言ってくれました。私はうれしくなりました。こんな私でも、笑顔になってくれる人がいる。その時から私は誰かの役に立ちたいそう思うようになりました。そのためにはまず自分が強くならないといけない。自分がしっかりしないといけない。
女性と出会って数ヶ月後私は退院する事になりました。自分のようにつらい思いをしている人たちを笑顔にできるようにがんばっていこう。
自分との戦いが始まります。
全国障害者スポーツ大会「希望郷いわて大会」報告
東日本大震災復興の架け橋第16回全国障害者スポーツ大会が「広げよう感動。伝えよう感謝。」のスローガンのもと、10月22日(土)から24日(月)の3日間、岩手県で開催されました。大会期間中晴天には恵まれたものの、閉会式ではさすがに東北の寒さが身にしみました。
その中でも、選手は持てる力を出し切り、金メダル6個、銀メダル7個、銅メダル6個を獲得しました。
来年の開催地は愛媛県に決定しています。
晴天に恵まれた2日間「ふれあいマーケット・芸能まつり」
毎年11月20日の県民の日に ちなんで開催されるこせでのイベントに、11月12日(土)13日(日)の2日間、ふれあい会議からマーケットと芸能まつりが協賛事業として参加しました。
ふれあいマーケットには、19団体(214名)が参加し、芸能まつりでは、かえで太鼓サークル天真爛漫、舞踊グループ「穴山の里」、親子アンサンブル マリナーズが出演しました。
2日間ともお天気に恵まれ、半袖の人も見受けられるなど、初夏さながらのイベントはおおにぎわいでした。
鈴木徹選手 イメージアップ大賞受賞
リオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り高跳びで4位に入賞した、山梨市出身の鈴木徹選手が「山梨県イメージアップ大賞」を受賞しました。
鈴木選手は2000年のシドニー大会以降5回連続出場し、ロンドンパラリンピックでも4位入賞を果たしました。
県は選考理由について、「長年にわたり挑戦を続け、世界の大舞台で活躍する姿が県民に感動や勇気を与えた」として、受賞となりました。
障害者週間普及・啓発キャンペーンイベントを開催
毎年12月3日から9日までは障害者週間です。今年度は初日の3日が土曜日だったことから、前日2日(金)当協会と山梨県障害者福祉ふれあい会議、山梨県の共催で、甲府駅にて普及・啓発キャンペーンを行いました。
駅南北の乗降客に啓発物品・チラシ1,000部を、構成団体、ふれあい会議会員など50名が、障害者への理解を訴えて配布しました。
平成28年度 障害者パソコンボランティア養成講習会のお知らせ
本年度3回目のパソコン及び周辺機器の使用を支援するボランティア養成講習会を次のとおり開催します。
・1日目 平成29年2月23日(木) 10時〜16時
・2日目 3月2日(木)10時〜16時
・3日目 3月7日(火) 10時〜16時
・4日目3月9日(木) 10時〜16時
募集対象者は、パソコン使用の経験があるかたです。その他、詳細は本協会ホームページに掲載していますのでご覧下さい。
申込み・問い合わせは、担当 廣澤まで。
すばらしい友人と配偶者を得るために「第43回ジャンボひまわりの集い」
生涯をともにする良き伴侶にめぐり会う機会に恵まれない未婚の障害者の出会いの場です。
日時 平成29年3月12日(日)午前10時から午後4時
会場 山梨県リツ図書館 イベントスペース東 山梨県甲府市北口2丁目8の1
電話 055-255-1040
参加費三千円
詳しい内容をお知りになりたい方は当協会の担当までお問い合わせ下さい。
「50m屋内プール」の早期建設を要望
先の6月に山梨県水泳連盟と共に、コセスポーツ公園・50メートル屋内プールの早期実現を後藤知事に要望しました。
その後、実現に向けた気運を高めるため関係機関を通じて広く県民の方々に署名活動を展開したところ45,829人の署名が寄せられました。
この多くの方々の署名を携え、12月16日に再度、竹内理事長・岡 県障害者スポーツ協会副会長、山梨水泳連盟と共同で後藤知事に屋内プールの早期建設を要望しました。
知事からは「多くの署名を踏まえ、計画に当たっては、ユニバーサルデザインに配慮して、あらゆる方々が利用しやすいプールを検討して参りたい。」との回答がありました。
今後も実現に向けねばり強く要望を重ねたいと思います。
編集後記
私は今号より編集に携わらせていただくことになり、喜びと共に身が引き締まる思いです。
手前味噌になりますが、「この素晴らしい情報誌『共生』をひとりでも多くのかたがたに読んでいただきたい!」と、編集後の今、強く願っています。(高橋)
編集委員会
委員 仁科加代子(山聴協)
委員 田端 康三(手をつなぐ育成会)
委員 原 庚徳(山身連)
委員 宮本 徳子(精家連)
委員 広瀬 清敏 (山視協)
事務局 齊藤 玉木(山障協)
事務局 高橋 充幸(山障協)
印刷所 (有)藤屋紙工
この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。