社会福祉法人 山梨県 障害者福祉協会

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平成24年1月1日第64号共生

発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内正直
事務所 甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
電話 : 055-252-0100戟@ファックス : 055-251-3344
E-mail : info@sanshoukyou.net
URL : http://www.sanshoukyou.net/


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この広報紙は、一部共同募金の配分金によって発行されています。

年頭のご挨拶

山梨県知事 横内正明(よこうちしょうめい)
 新年明けましておめでとうございます。
日頃より、竹内理事長様をはじめ会員の皆様方には、本県の障害者福祉行政の推進にご理解とご協力をいただき、深く感謝申し上げます。
 昨年の東日本大震災は、未曾有の被害をもたらしましたが、特に災害弱者である障害者の方々には大変なご労苦があったとお聞きしております。こうした状況を踏まえ、東海地震などの発生が懸念されている本県においても、大規模災害の際に、障害者の方々をしっかりと守れるよう、防災アクションプランの見直しを行っているところであります。
 さて、現在、国におきましては、障害者制度の集中的な改革を進めております。この改革の基本は、「障害の有無にかかわらず、相互に個性の差異と多様性を尊重し、人格を認め合う共生社会の実現」であり、昨年8月にはこの考え方に基づき障害者基本法が抜本改正されました。今後も「障害者自立支援法」の廃止と「障害者総合福祉法(仮称)」の施行などが予定されており、障害者制度改革がさらに進展していくものと期待しております。
 一方、県では昨年、県政運営の基本指針である「第二期チャレンジ山梨行動計画」を策定し、障害者の自立と社会参加の促進や障害者の就労支援などの施策を盛り込みました。また、これらの施策を具体的に進めていくため、平成24年度から平成26年度までを計画期間とする次期県障害者プランを現在策定中であります。国の制度改正の動きや皆様方のご意見を踏まえながら、障害者や関係者の立場にたった内容としていく考えであります。
今後とも誰もが社会の一員として互いを尊重し、支え合って暮らす「共生社会」の実現を目指して、障害者福祉を推進して参りますので、一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 結びに、新たな年が会員の皆様とご家族の皆様にとりまして、幸多きものになりますよう、心から祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。

明日を担保しない

社会福祉法人山梨県障害者福祉協会 理事長 竹内正直(たけうちまさなお)
 明けましておめでとうございます。

うつくしく交わる中や冬椿 (鬼貫)※註

 人との交わりやかかわりが、最近は大変薄くなって来ています。 このことが、障害者、高齢者や児童への虐待に道を開いたり、特に障害者にとっては障害に対する理解の機会を遠くして、それがあらぬ差別、偏見に繋がったりして、人権はおろか人命軽視の社会的現象を引き起こしています。
 ことしは、昨年の虐待防止法に引き続き障害者制度改革で残された命題である障害者総合福祉法の成立と、差別禁止法の仕上げを一刻も早く見たいものと熱い思いを寄せています。冒頭の鬼貫の句は、「うつくしく交わる」と単純・明快に言い切って、人の世に生きるものの在りよう、生きざまを、冬椿の端然と咲いている様に事寄せて、厳しく律しています。
 年初に当たって、まずは襟を正して己の周囲を仔細に見てみたい。身一つの事柄から家族や友人、知人との繋がりに、揺るみや軋みはないか、有れば陽のある中に修復して、心の満たし合いに隙間を作らないことが大切だと思います。 明日を恃むことや、明日を担保しない今日の始末に力を尽くすこと、この心がけこそが、さわやかな人間関係を生み、それはまた明日を創ることのエネルギーとなるはずです。
※註 鬼貫は攝津(兵庫県)伊丹の生まれ(万治4年・1661年)。宗因の俳風を学び、俳諧論「独りごと」を著し、蕪村や一茶らに強い影響を与えた。


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障害者週間(12月3日〜9日)を啓発する甲府駅前キャンペーンを実施

 障害者週間の前日の12月2日、あいにくの雨の中、24団体44人参加のもとに、障害者週間を啓発する甲府駅前キャンペーンを実施しました。
 このキャンペーンは、障害者週間を県民の皆さんに知ってもらい、障害者の自立と社会参加に理解を寄せてもらうため、障害者週間に因む行事(障害者の主張大会など)のちらしや障害者の皆さんが作ったハガキやしおりなどの配布を行い、障害者の皆さんへの理解を深めました。

平成24年度障害者施策に対する要望を県に15項目行う

 12月2日の障害者週間の前日に、甲府駅前の障害者週間前日キャンペーンに引き続いて、県に対して平成24年度障害者施策に対する要望を、竹内山梨県障害者福祉協会理事長以下11団体18人の参加で行いました。 当日は、山梨県篠原障害福祉課長に15項目の要望書を手渡しました。 主な要望事項は、次のとおりです。
○平成25年度に山梨県で開催が予定されている国民文化祭と同時に全国障害者芸術・文化祭を開催してほしい。
○重度心身障害者医療費助成事業の現行のままの継続を要望する。
○新しい障害者相談員支援制度の創設を。
○障害者週間の啓発行事の充実について。
○障害者スポーツ施策の充実について。
 @障害者専用のスポーツセンターの設立について。
 A県内のスポーツ施設に障害者専用の用具の設置を。
○防災対策において、障害者への配慮(避難所の運営、専任の相談員の設置等)をお願いする。
○山梨県障害者幸住条例の見直しに障害当事者の参加を。などです。

重度心身障害者医療費に係る公費負担制度の確立を求める請願書を山梨県議会に提出し、採択されました

 12月5日に山梨県障害者福祉協会では、山梨県議会に対し、いままで全都道府県が単独で実施してきた重度心身障害者医療費助成事業を、国が責任を持って現物給付方式による公費負担制度を確立することを、国に対し強く要望するよう山梨県内の全障害者団体を代表して、請願書を提出し採択されました。

第22回 障害者の主張大会開催

平成23年12月4日(日)かいてらす大ホールにおいて、第22回障害者の主張大会が開催され12名の方が発表しました。発表者は、障害を乗り越えチャレンジする大切さ、就職や社会参加への取り組み、自分を支える周囲の方への感謝の気持ちなどを、力強く主張し会場内からは盛大な拍手が送られました。
 第22回障害者の主張大会の受賞者は次のとおりです。
●最優秀賞 芦沢 和也
●優秀賞 大塚 貴紀
●特別賞 青木 真弓・土屋 英子・岡部 太郎 中村 修・鈴木 仁
●努力賞 川上麻里子・舟久保市子・有賀美佐子・樋口 勲・名取喜代美
第22回障害者の主張大会最優秀賞(知事賞)
 夢を抱くこと、あきらめないこと、チャレンジし続けること 〜就職への道〜
芦沢和也
 私は芦沢和也と申します。この九月から、正式にNTTクラルティ塩山ファクトリーに勤めています。会社はリサイクル原料から、手漉き紙製品の製造をしています。私はその中で、紙すき作業を担当しています。最初は細かい手順や液の量を覚えるのが大変でしたが、今では仕事にも慣れ、紙を漉きあげることに喜びを感じています。同僚は皆、個性的で笑顔がいつも溢れている、そんな職場です。
 私が皆さんに、私の経験をお伝えしようと思ったきっかけは、私の就職直後の新聞に、「支援学校生の就職狭き門」と載っていたことからです。東日本大震災の影響もあったのか、県内企業の障害者雇用が厳しくなっているという状況を知り、少しでも後輩のこれからの心の支えになれればと思い、原稿用紙に向かいました。
 今年3月、私は、かえで支援学校高等部を進路先がきまらないまま卒業しました。高等部では現場実習というものがありました。年2回、各2週間に渡って自分の可能性を探したり、自分の進路を決めたりするために行うものです。私は、臨時の実習を含め、8ヶ所以上に実習に行きました。製パン会社から始まり、宝飾販売会社、ホテル厨房の洗い場などを経験しました。中でも宝飾会社では、伝票整理やメッセージ書き等、やり甲斐のある仕事をさせて頂きました。充実した実習を終え、採用の可能性を伺うと一般の方と同じ仕事量・内容が求められるとわかり、私は、自分の力不足を感じて諦めました。とても残念でした。
 3年の秋には、ハローワーク主催の障害者合同面接会にも参加しました。会場に入った瞬間、参加者は学生だけではないこと、非常に多くの人が職を求めていることに驚かされました。参加企業は30社近くあり、話を聞き、面接を何社かに申し込みましたが、返事を頂けたのは1社だけでした。しかし本社が東京にあり、山梨での開設が4月のためか何回も確認の問い合わせをしましたが、面接日決定の連絡はなかなかありませんでした。
 友達の進路が決まっていく中で、私だけが決まらない「焦り」、「待つ」という時間はとても切ないものと初めて感じました。そんな中、今の会社の実習に行きました。この時は、製造関係はもとより、社会人としての心得の勉強もありました。自分の新たな可能性を知ることができた2週間の最後に、適性検査と面接を受けました。職場の方も優しく、雰囲気もよく、仕事の手応えもあったことから、期待に胸を大きくふくらませていましたが、採用については、ガッカリの結果でした。
 先程の合同面接会の会社は、結局卒業式を終わってから面接がありました。結果として採用には至りませんでした。業務が以前に実習した宝飾会社の内容と似ていたこともあり、自分でも仕事ができそうだという自信もあったので、これまたガッカリでした。4月。私は、気持ちを切り替え、県立就業支援センターに入校しました。日々の勉強を重ね、自分に自信をつける中、今の会社のことを諦めきれずにいました。ある日、会社からセンターの先生を通して再面接の打診がありました。面接後、3ヶ月のトライアル雇用の開始。私は、遅れた時間を取り戻すように、仕事に夢中で取り組み、毎日が本当に矢のように過ぎました。そして頂いた「採用OK」。
 いつも全力で実習に取り組んでいたこと。夢を持ち、諦めずにいたこと。気持ちを切らさず、チャンスを手にできたこと。それを活かすことができたこと。これまで多くの方々に支えて頂いたこと。それらが全部集まって今につながっていることをかみしめ、私は言葉では表せない喜びを感じました。私は学生時代から「チャレンジ」と「人の役に立つ」を大切にしています。私達にはできる仕事がまだまだあると思います。仕事への可能性が沢山あると思います。私達は「頑張れます」後輩達にもチャンスを下さい。広い雇用を望みます。


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第11回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」

 第11回全国障害者スポーツ大会「おいでませ!山口大会」が“君の一生けんめいに会いたい”のスローガンを掲げ10月22日(土)〜24日(月)の日程で熱戦を繰り広げました。
 今大会には、5月に行われた山梨県障害者スポーツ大会の成績により選考された19名の個人競技選手、および糠信力夫団長をはじめとする20名の役員・介護者の、総勢39名が山梨県選手団として参加しました。大会では、金メダル14個、銀メダル14個、銅メダル3個の合計31個と、日頃の練習の成果を発揮した成績で、大会新記録2種目と大会記録1種目を更新しました。特に知的陸上競技の男女混合リレーでは、4名の選手が大活躍し、昨年に引き続き堂々の1位に入賞して大きな盛り上がりとなりました。
 第11回全国障害者スポーツ大会 山梨県選手団成績
●陸上競技 井戸野伸也(50m/金、走幅跳/金、4×100mリレー/金)吉田 太(50m/金、100m/銀、4×100mリレー/金)古屋 隼(50m/銀、200m/銀)小林拓也(50m/銀、100m/銀、4×100mリレー/金)秋山泉月(立幅跳/銀、ソフトボール投/銀、4×100mリレー/金)青木真弓(砲丸投/銀、ジャベリックスロー/銀)菊島 巧(ソフトボール投/金、砲丸投/銀)小宮山浩司(100m/金、走幅跳/金)山本 力 (1500m/金、ソフトボール投/銀)小澤克己(ソフトボール投/金、ジャベリックスロー/金)
●水泳競技 小池早由里(25m背泳ぎ/金、50m自由形/銀)富田 聡(25m背泳/金、50m自由形/金)
●卓球 有野梅男(一般卓球/銅)井口靖也(STT/金)
●フライングディスク 村田麻里(アキュラシー ディスリート5/4位、ディスタンス/5位)久島 真(アキュラシー ディスリート5/銀、ディスタンス/6位)小田切一樹(アキュラシーディスリート5/銀、ディスタンス/4位)小林健太(アキュラシー ディスリート5/6位、ディスタンス/銅)
●ボウリング 小田切琢磨(ボウリング銅)


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第26回県民の日記念行事 ふれあい芸能まつり・ふれあいマーケット開催

11月19日(土)〜20日(日)の2日間、小瀬スポーツ公園において県民の日行事が行われました。
障害者福祉ふれあい会議では、毎年協賛事業として「ふれあい芸能まつり」、「ふれあいマーケット」を行っています。今年のふれあい芸能まつりは向徳舎や穴山の里、かえで太鼓サークルの皆さんが参加し、日頃練習している踊りや楽器演奏を発表しました。特に穴山の里では、非常に難しい「安来節」の踊りに挑戦し、みごとなどじょうすくいを披露してくれました。
ふれあいマーケットは19日(土)に雨に見舞われたものの、20日(日)は前日の10倍の人出があり、授産製品や遊休品、野菜の販売や模擬店などを行い、大盛況でした。

障害者パソコンボランティア養成講習会 受講者募集

パソコンや周辺機器の使い方などについて、障害のある方の自宅など身近な場所に行ってサポートする「パソコンボランティア」をしてみませんか?
日時:全日程4日間20時間 午前10時から午後4時まで
     1回目 平成24年2月15日(水) 2回目2月17日(金) 3回目2月22日(水) 4回目2月24日(金)
会場:当協会 団体交流室 申込みは当協会まで 担当:早川

すばらしい友人と配偶者を得るために 第38回ジャンボひまわりの集い

 生涯をともにする良き伴侶にめぐり会う機会に恵まれない未婚の障害者に、障害者同士及び障害者と健常者との出会いの場をつくります。
期日  平成24年3月3日(土)〜4日(日)1泊2日
会場  山梨県立総合福祉センター「かえで荘」
〒406-0036 山梨県笛吹市石和町窪中島587電話(055)262-3791
※ 締 切:平成24年2月10日(金)
問い合わせ先:当協会まで、ご参加お待ちしています。

厚生労働大臣自立更生賞受賞

支えあう会「ピーチ&グレープ」 代表 芦澤茂夫氏

援護功労者(知事表彰)受賞

山梨県身体障害者連合福祉会 副会長 三澤完広氏

結婚相談について

山梨県内に在住の障害者のかたを対象に、山梨県から委託を受けて進めている県下唯一の結婚相談事業です。専用の相談室を用意しております。お気軽にお電話下さい。
電話055−252−0100

障害者110番

障害者・家族・関係者の相談に応じます。
火曜日〜土曜日 AM9:00〜PM4:00
弁護士無料相談(要予約)
毎月第3火曜日のPM1:30〜4:30
電話055−254−6266
FAX055−251−3344

編集後記

1年の世相を1字で現す2011年の漢字が「絆」に決まったそうです。
私たちは、いろいろな人たちと「絆」を結びつきながら。支えあって生きています。大切な「絆」をさらに深めて、障害あるなしに関係なくくらしやすい社会を作っていくことが私たちの出来る役割だと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。(仁科)

編集委員

委員長 山口充宏(手をつなぐ育成会)
委員 森田次郎(山身連)
委員 仁科加代子(山聴協)
委員 小林勝夫(精家連)
委員 梶原 剛(山視協)
委員 齊藤玉木(事務局)