平成23年1月1日第60号共生
発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内正直
事務所 甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
電話 : 055-252-0100戟@ファックス : 055-251-3344
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年頭のご挨拶
山梨県知事
横内しょうめい
新年明けましておめでとうございます。
会員の皆様には、謹んで新年のお祝いを申し上げます。
平素より、竹内理事長様をはじめ 皆様方には、本県の障害者福祉行政の推進にご理解とご協力をいただき、深く感謝申し上げます。
さて、県におきましては、障害を持つ人を取り巻く環境の変化などに対応していくため、一昨年、第2期山梨県障害福祉計画と統合した「新やまなし障害者プラン」を策定いたしました。現在、この新プランに基づき、障害をもつ人が地域で安心して暮らせるよう、相談支援体制の充実や就労支援の強化、障害福祉サービスの充実などをはじめとした障害者施策を総合的に推進しているところであります。
厳しい経済情勢の中ではありますが、本年も引き続き新プランの着実な推進を図ることによって、皆様方が「暮らしやすさ日本一」と思えるような山梨づくりに取り組んで参ります。
また、国におきましては、昨年6月、障害者制度改革推進会議の意見を最大限尊重して、「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」を閣議決定し、我が国の障害者制度を集中的に改革していくこととしています。
この改革の基本的な考え方は、「障害の有無にかかわらず、相互に個性の差異と多様性を尊重し、人格を認め合う共生社会の実現を図ること」とされています。今後、この考え方に基づき、 障害者基本法の改正や「障害を理由とする差別の禁止に関する法律」の制定、「障害者自立支援法」の廃止と「障害者総合福祉法」の制定などが予定されており、障害者制度改革が大きく進展していくものと考えています。県としても、このような国の制度改正の動きや皆様方のご意見を踏まえながら、障害当事者や関係者の立場にたった制度の確立に向け、全力で取り組んで参る所存であります。
結びに、本県の障害者福祉の向上に更なるご支援をお願い申し上げますとともに、新たなとしが会員の皆様とご家族の皆様にとりまして、幸多きものになりますよう、心から祈念申し上げ、年頭のあいさつといたします。
青井紀子さんありがとう!
社会福祉法人山梨県障害者福祉協会
理事長 竹内正直
明けましておめでとうございます。
ことしも、お互いに取り合った手をしっかり結び直し、良い年にしましょう。
さて、昨年末開催された「障害者の主張大会」は、例年になく平準した高いレベルの主張が多く、心に滲みるメッセージをもらいました。従来の大会では、単なる障害を負った時の回想や、障害の痛みを訴える、やや暗いものが大方でしたが、ことしはそのほとんどが、障害によって失ったり制限された身体の機能を、しっかりと補完する可能性について、正面から向き合い、またはそのことに堂々挑戦したりして一途に自立に繋げる努力を惜しまないものばかりでした。
わけても、満場が共感の熱い涙をしぼった三障害(視覚・肢体・精神障害)の青井紀子さんの主張は、重度の障害による自身のつらい体験から立ち直った思いを率直に打ち明け、「勇気を持ってカウンセリングを受けたり、周りの人たちに気持ちを打ち明けて、心の扉を開いてもらいたい」と訴え、自ら立ち上げた「インターネット」じょうの「自分のホームページと掲示板」を通じて、「私と同じように悩んだり、苦しんだりしている人が、私の思いを読んで楽になったり、気持ちをぶつける場所」にして欲しいと結んでいます。
この主張から、参加者は等しく言い知れない勇気をもらいました。そして同時に、一人一人の福祉は、チャンスは、決して与えられて実を結ぶものではなくて、それぞれの人の生き方によって、そこに寄せる強い思いによって創造され 克ち得ていくものだということに気付かされました。
この日参加した人は、この時の至福の感動を、多分ことしへ、ことしに続く未来へ向けて持ち続けることと確信しています。紀子さんありがとう。
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障害者週間初日に甲府駅前街頭キャンペーンと県に18項目の要望を提出
山梨県障害者福祉ふれあい会議では、障害者福祉向上の啓発活動の一環として、障害者週間(12月3日から12月9日)の初日に甲府駅前で、20団体35名のかたが参加して、街頭キャンペーンを実施しました。
また、キャンペーン後山梨県障害者福祉協会では、国民文化祭と同時に全国障害者芸術・文化祭の開催や精神障害者相談員制度の創設など18項目について要望活動を行いました。
当日、県側は鈴木障害福祉課長が対応し、協会側は、竹内理事長以下望月山梨県てをつなぐ育成会会長、青沼山梨県精神障害者家族会連合会会長、石合山梨県身体障害者連合福祉会会長、長澤山梨県視覚障害者福祉協会会長、河村山梨県身体障害者相談員連絡協議会会長、糠信山梨県障害者スポーツ協会会長、戸田山梨県障害者地域生活支援事業所協議会副会長など8団体19名のかたが出席し、熱心な要望と活発な意見交換を行いました。
第10回全国障害者スポーツ大会「ゆめ半島千葉大会」
第10回全国障害者スポーツ大会「ゆめ半島千葉大会」が“ゆめ半島みんなが主役 花咲く笑顔”のスローガンを掲げ、10月23日(土)から25日(月)の日程で行われました。
今大会に山梨県からは、5月に行われた山梨県障害者スポーツ大会の成績から選考された22名の個人選手と、関東地区予選会で見事優勝した視覚障害者のグランドソフトボール競技の選手14名が参加し、糠信力夫団長をはじめとする24名の役員・介護者の総勢60名が山梨県選手団として参加しました。大会では、金メダル15個、銀メダル8個、銅メダル5個、合計28個と平素の精進の成果を発揮した成績でした。大会新記録2種目を更新しました。
第21回 障害者の主張大会を開催
平成22年12月5日(日)かいてらす大ホールにおいて、第21回障害者の主張大会が開催されました。
今年は、13名のかたが自身の想いや夢や希望を主張し、会場内からは盛大な拍手が送られました。 第21回障害者の主張大会の受賞者は次のとおりです。
最優秀賞:篠原 充 優秀賞:青井紀子 特別賞:望月あやこ 大柴洋子・天野由希子・渡辺武士・外川麻美 努力賞:深澤富江 藤田とくみつ・望月貴広・廣戸まほろ・山中正勝・丹澤加代子
「知って欲しい」大勢の障害者が生きる為に戦っている事を
篠原充「こんにちは、豆腐の販売です。」「豆腐屋さんいつもの汲み出しお願い」「毎度ありがとうございます。」私は仲間と二人で週一回地域のお客様の所に販売にお伺いしています。この豆腐は障害を持つ仲間が育てた無農薬の大豆を使って作り、とても美味しいと好評です。 私が働くこの施設はしんたいや知能に障害を持った人達が利用する通所支援施設で、支援学校を卒業した人や、グループホームで生活する人等、50名以上の人達が野菜作りや豆腐の製造、食堂の手伝い等、それぞれの場で各自の目標に向かって日々活動しています。
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私も障害者です。糖尿病から腎不全を併発し、人工腎臓に頼らなければならなくなり、週3回、1回4時間の人工透析を続け6年目に入りました。当初は合併症に苦しみましたが透析を続けるうち症状も落ち着き、自分を冷静に見つめ直し将来を考える心の余裕も出来ました。透析を続けながら人の為に役立つ仕事がしたいと思い、この施設でお手伝いを始め三年目に入りました。初めて経験する職場でしたが、障害を持つ人達と共に行動し今迄知らなかったさまざまな体験をし、多くの事を知りました。
本人の意思や、家庭の事情から家を離れグループホーム等で生活し、施設に通いながら社会への就労を目指す人達、又、重度の障害を持ちながらも頑張る大勢の人達が居る事を知りました。県内に障害を持つ人がどの位居るのか想像もつきませんが、透析を受ける人だけでも約2千人、全国では29万人以上も居ます。障害を持つ皆さんと親しく接し、ハンディに負けることなく、明るく前向きに戦う姿に沢山の勇気や励ましをいただきました。又、支援する人達の苦労や、温かく見守る家族の愛情も強く心に伝わって来ます。
ある朝、送迎車両への乗車に時間を要したJ君に「Jが素直で居てくれたら何もいらない。それが今の私の一番の願いであり、一番の幸せだから。」と、涙ながらに呟いたお母さんの言葉が今でも忘れられません。私も思います。この腎臓が機能を回復してくれたら・・と。でも悲しいかな私の腎臓は透析時のみ、週12時間しか活動してくれません。これが現実です。J君のお母さんの気持ちが、願いが痛い程心に伝わって来ます。J君もお母さんも日々戦っているのです。
私も合併症に苦しみ、透析仲間が次々に命を亡くし 落ちこんでいた時、生きる目標を与えてくれたのが高齢の母と、初孫の誕生でした。車椅子にて痴呆が進む母親ですが、過去の記憶が甦る事もあり励みになります。日々成長する孫の将来も生きがいです。小学校入学が当初の目標でしたが、中学・高校・花嫁姿と夢は膨らみます。透析と施設でのお手伝いを続けながら私も生きる為に戦っています。 孫の運動会に参加した時の事です。竹馬でグランドを一周する競技で、皆上手に競技する中、一人だけ先生が付き添い 地面に足をつけながら進む園児が居ました。仲間が次々にゴールする中、その子も懸命でした。その時です。園児達から「頑張れ」の声がかかり、その声は次第に大きく、大声援の中、見事ゴールインしたのです。小さなグランドで皆の心が一つになったひとときでした。この事からも多くを学ぶと共に頑張った園児も強く生きて欲しいと心から願いました。先日、臓器提供キャンペーン(命をありがとう)に参加しました。法律の改正で移植できる人が増え戦いから解放されることはうれしい事です。
南米チリ鉱山事故で地下700メートルから33名の尊い命が救出され、世界中の人々に勇気と感動とエスペランサ(希望)を与え、改めて命の大切さを教えてくれました。山梨県は自殺する人が全国一と言われ、毎年多くの人が命を亡くしています。その人なりの事情や苦しみがあるとは思いますが大切な命を簡単に捨てないでください。そして知って欲しいのです。生きる為に懸命に戦い頑張る、私達、障害者が居る事を。
ふれあい芸能まつりとふれあいマーケット盛況
本年の県民の日 記念事業は こせスポーツ公園をメイン会場に11月13日〜14日の2日間にわたって開催され、県障害者福祉ふれあい会議では協賛事業として、ふれあい芸能まつり ふれあいマーケットを行いました。ふれあい芸能まつりは向徳舎やかえでたいこサークルの皆さんが参加し、日頃練習している、楽器演奏や歌を披露してくれました。 ふれあいマーケットは2日間で19団体が参加し、PR活動や授産施設の販売、バザー等を行い 多くのかたが訪れました。
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パソコンボランティアフォローアップ研修開催
障害者パソコンボランティアを対象にした、平成22年度第1回フォローアップ研修を11月27日に都留市中央にある山梨県立男女共同参画推進センターぴゅあ富士で開講し、普段の活動中の疑問点や助言方法など、活動支援やスキルアップのために多くのボランティアに参加していただき、有意義な研修を行うことができました。2回目の募集については以下のとおりです。
平成22年度第2回障害者パソコンボランティア養成講習会受講者募集のおしらせ
パソコンや周辺機器の使い方などについて、障害のあるかたの自宅など身近な場所に行ってサポートする「パソコンボランティア」をしてみませんか?対象者:パソコンを普段から使用しているかたで、障害者等への支援に熱意のあるかた。
日時 平成23年2月5日(土) 2月12日(土) 2月19日(土) 2月26日(土) 全日程4日間 10時から16時まで
会場 山梨県福祉プラザ
講習内容:(1)障害者とIT(2)障害種別指導方法と実技(肢体不自由・視覚障害・聴覚障害・知的障害・精神障害)(3)その他
受講料:無料
定員:10名
平成22年度第2回障害者パソコンボランティアフォローアップ研修のお知らせ
パソコンボランティアの活動中の疑問点や助言方法など、活動支援やスキルアップのために障害者パソコンボランティア登録者を対象にフォローアップ研修を行います。対象者:障害者パソコンボランティア登録者
日時:平成23年3月6日(土)10時から16時まで
会場:株式会社カルク パソコン研修室
講習内容:(1)Excel・Word2010の実習 (2)Windowsせぶんのユーザー補助機能について
受講料:無料
定員:20名
申込み方法:当協会までお申し込みください。
すばらしい友人と配偶者を得るために第37回ジャンボひまわりの集い
生涯をともにする良き伴侶にめぐり会う機会に恵まれない未婚の障害者に、障害者同士及び障害者と健常者との出会いの場を提供し、相互理解と結婚問題の解決を図ります。
- 日時:平成23年3月5日(土)から6日(日) 1泊2日
- 会場:山梨県立総合福祉センター「かえで荘」 笛吹市
スポ協の花輪さん厚生労働大臣賞を受賞
更生援護功労者表彰 山梨県スポーツ協会 理事 花輪利次
昭和63年の山梨県障害者スポーツ協会立ち上げ時からの理事となり、平成12年にスポーツ活動推進員として現在に至るまで、障害者スポーツに尽力している。スポーツを通じ、障害者の体力増強や社会参加及び自立支援の推進に努め、多くの障害者に励みと自信を与えている。また、長年障害者スポーツ大会の山梨県選手団役員として、選手への指導にあたるとともに、本年度においては総監督として選手団を牽引している。
編集後記
共生では、行事の報告、行事予定、団体の活動紹介などを掲載しています。記事の掲載希望、ご意見などありましたら、さんしょうきょう事務局までご連絡ください。 本年も、よろしくお願いいたします。(梶はら)
編集委員
委員長 山口充宏(手をつなぐ育成会)
委員 森田次郎(さんしんれん)
仁科加代子(さんちょうきょう)
小林勝夫(せいかれん)
梶原 剛(さんしきょう)
斉藤たまき(事務局)