社会福祉法人 山梨県 障害者福祉協会

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平成22年1月1日第56号共生
発行所 社会福祉法人
山梨県障害者福祉協会
発行責任者 竹内 正直
事務所甲府市北新一丁目2-12
(山梨県福祉プラザ1階)
電話 : 055-252-0100戟@ファックス : 055-251-3344
E-mail : info@sanshoukyou.net
URL : http://www.sanshoukyou.net/


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年頭のご挨拶
山梨県知事 (よこうち しょうめい)
新年おめでとうございます。
会員の皆様には、健やかに新春を迎えられたこととお慶び申し上げます。
日頃より竹内理事長様をはじめ、皆様には本県の福祉行政の推進に御理解・御協力を頂いているところであり、深く感謝申し上げます。
さて、私の県政運営の基本指針であります「チャレンジ山梨行動計画」につきましては、経済・雇用対策など現下の厳しい経済情勢への対応をはじめ、計画策定後に発生した県政の重要課題等への取り組みを明らかにするため、県議会や総合計画審議会での審議、パブリックコメント等を踏まえて、昨年12月に見直しを行なったところであります。
障害を持つ人に対する施策につきましては、この「チャレンジ山梨行動計画」と併せ、昨年3月に策定した県の障害者施策の基本計画である「新やまなし障害者プラン」に基づいて、障害を持つ人の地域生活への移行促進や就労支援の充実、福祉を担う人材の更なる確保と養成など、様々な事業を積極的に実施することとしているところであり、厳しい経済情勢の中ではありますが、今後とも、私が先頭に立ってこれらの計画の着実な推進を図り、「暮らしやすさ日本一」の山梨づくりに向けて全力で取り組んで参る所存であります。
また、国におきましては、昨年の政権交代により、福祉サービスの利用者負担に関して現在の応益負担を従前の応能負担に戻すことと、障害者自立支援法を廃止し新たな制度を創設する旨の表明をしておりますが、障害福祉サービス制度については近年の度重なる制度改正によって様々な問題と混乱が生じていることから、今回の制度改正にあたって設置される「障害者制度改革推進本部」において障害者団体の意見が十分に反映され、障害当事者や関係者の立場になった新制度となるよう期待しているところであります。
結びに、本県の障害福祉の向上に更なる御支援をお願い申し上げますとともに、新たな年が会員の皆様と御家族の方々にとりまして幸多きものになりますよう心から祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

とうじふゆなか
山梨県障害者福祉協会 理事長 (たけうち まさなお)
明けましておめでとうございます。
平素ご教示ご支援をいただいております皆さまに、ことしのご隆昌ご健勝を心から祈り上げております。
本年も引き続き、国の厳しい経済財政事情によって、障害者福祉事業がすべての領域で困難や手詰まりを来すこと必至と考えますが、関係機関、団体が緊密適切な連携と知恵を寄せ合って、いささかも停頓や後退のないよう心掛けたいと思っております。
そうした状況を踏まえ、三障害文字通り統合連帯して15年、昨年末初めて協会に障害者施策検討委員会を立ち上げ、国や県に向かって喫緊の提言と要望を取りまとめ、これを建言致しました。
ことしは特に2008年の障害者権利条約の発効によって、国の法制度変革の重要な転機を迎えているときだけに、いたずらに足らざることに目を奪われたり、嘆くだけでなく、この機に英知を集めて連帯を一層強化して、障害種別を越えた強固な協会作りを果たしたいと存じております。
「冬至冬中、冬はじめ」という言葉がありますが、冬至は暦の上では冬の半ば、気温が最も下がるのは立春なので、正味の寒さはまだまだ冬の始まりを意味し、転じてこの経済的試練は始まったばかりと心得、さらに緊張した事業運営を進めることにしたいと考えております。
本年もご指導ご叱声の程、宜しくお願い申し上げます。


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障害者週間の初日(12月3日)に県に31項目の要望を提出

山梨県障害者福祉協会では、障害者週間の初日(12月3日)の甲府駅前の障害者週間キャンペーンに引き続き、山梨県に対し、障害者週間の啓発事業の充実やパーキングパーミット制度(身体障害者等用駐車場利用証制度)の導入についてなど31項目について要望活動を行ないました。
当日、県側は深尾障害福祉課長が対応し、協会側は、急用で欠席した竹内理事長に代わって望月副理事長(山梨県手をつなぐ育成会会長)が挨拶、山梨県精神障害者家族会連合会の青沼会長、山梨県身体障害者連合福祉会の浅野会長、山梨県視覚障害者福祉協会の長澤会長、山梨県肢体不自由児者父母の会連合会の武井会長、山梨県聴覚障害者協会の仁科理事、山梨県身体障害者相談員連絡協議会の河村会長などが出席し、障害者福祉向上のための熱心な要望と活発な意見交換をしました。

第20回 障害者の主張大会を開催

平成21年12月6日(日曜日)山梨県立文学館講堂において、第20回障害者の主張大会が開催されました。
今回は11名のかたが、日頃の思いを力強く発表されました。
最優秀賞に輝いたのは、都留市在住の菊島巧さん。視覚に障害を持ちながらもスポーツに打ち込み、またスポーツを通しての出会いと友情を熱く語りました。
最優秀賞を受賞した菊島さんから「まさか自分がこのような賞を受賞できるとは思ってもみなかった。心から嬉しく思っています。」と受賞の感想をいただきました。

「スポーツ」と「出逢い」 心が通じるということ 菊島 巧

私は網膜色素変性症という目の病気を持つ視覚障害者です。はたちの時、富士吉田市立病院で失明すると診断されました。その後、いくつかの病院で診察を受けましたが、やはり同じ結果でした。
何度も何度も「死」を考えましたが死にきれず、時が過ぎて二十七歳の時、知人から山梨県立盲学校でマッサージの免許を取れば仕事が見つかると聞きました。私自身まだ頭の中から「死」という言葉が離れないまま悩んでいましたが、とにかく見学に行ってみようと盲学校を訪ねると、小さな子が廊下に座って何かつぶやいていました。その子はしゃべることもできず、目もなく、義眼を入れていました。私はその子を見て、自分の情けなさに涙が出てきました。失明と言われて以来落ち込み、死ぬことばかりを考えてきた私でしたが、命のある限り生きなきゃという気持ちになりました。
盲学校に入学してからグランドソフトボールというスポーツに出会いました。目の悪い人が運動なんて考えてもみませんでしたが、私もスポーツが大好きなので、グランドソフトを始め、三年生の時、糠信先生の指導の元、キャプテンとして山梨県立盲学校四十八年ぶりの全国大会出場を果たすことができました。
盲学校を卒業後、社会人野球に入りましたが、四年間、両膝 ハンゲツばん損傷で手術の繰り返しでした。左膝はハンゲツばんが三分の一しか残らず、医者からは、これ以上スポーツを続けると人工関節を入れなければならなくなると止められ、断念を強いられました。
私はどうしてもスポーツをあきらめられず、団体競技から個人競技へ変更し、五年前に初めて山梨県障害者スポーツ大会に、ソフトボール投げとハンドボール投げで出場しました。この大会は全国障害者スポーツ大会の予選を兼ねており、全国大会の選手として選考されました。強化練習の時に同じ郡内から参加した体格のいい聴覚障害者のオサノに初めて出会いました。視覚障害の私が、聴覚障害者のオサノとどうやって話ができるのか、仲良くできるのか・・。
私は手話が分からないし、オサノには私の声は聞こえません。無言の時間が過ぎました。手話の本を買って指文字の練習をしましたが難しく、オサノと会っても会話ができませんでした。
全国大会の岡山大会の時も一緒でしたが、私は具合が悪くなりオサノともそれきりになってしまいました。連絡もとれないまま半年。翌年の県予選で再びオサノと会うと、元気だったか?と言うまもなく、オサノと抱き合い再会を喜び合いました。同じハンドボール投げに出ることになり、一緒に練習を始めました。手話通訳を介し、会話もできるようになりました。このころからオサノとは、何か気が合いそうな、おもしろいやつだなと思い、携帯でメールをするようになりました。視覚と聴覚でも携帯のメールを通じればやりとりができるのです。この年は思うような結果が出せませんでした。
翌年からハンドボール投げの競技がなくなってしまい、恩師でもあり、団長でもある糠信先生に相談し、二十年のベテランのオサノに教わったら・・・とアドバイスを受け、砲丸投げに挑戦してみることにしました。
砲丸は全く初めてで投げ方も分かりませんでしたが、オサノは笑顔で迎えてくれました。オサノが投げる姿は すげぇー の一言で、私にとってオサノは憧れの人となりました。砲丸の持ち方、フォームなど手話通訳を通して教わり、毎日練習を続けましたが、両膝の痛みもあり、なかなか上達できず悩んでいました。
バーベルやキントレマシンも購入し、筋肉の強化に日々孤独の練習でした。


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しかし、大会では三位に終わり、よい結果が出せずオサノに申し訳ない、ゴメンと叫び 涙、涙・・。悔しくて仕方がありませんでした。でも、オサノは一緒に金メダルを目指そうと励ましてくれ、私はその言葉が心にしみました。
視覚障害者と、聴覚障害者がどうやって話ができるのかなどと思っていたのに、会話ではなくてもこんなに気持ちが通じ合えるなんて夢にも思っていませんでした。私は、どんな障害を持っていても、相手の立場となり、思いやりを持てば、心が通じ合うと確信しました。「全国大会で金メダルを取ろう!」この言葉を胸に、毎日練習を続けましたが、家の周りには砲丸を投げる場所はなく、キントレ一本です。昨年、全国大会に出場しなかったオサノのぶんまでいい結果を出したいと思いましたが、ソフトボール投げでは一位だったものの、砲丸では二位となってしまいました。
今年は、新潟大会に向けて二人で大会新記録を目指し頑張ろうと誓い合い、日々メールで連絡を取り合いました。オサノが、悩んでいた私のために、都留高校の砲丸の先生に教わりに行こうと持ちかけてくれ、夢中で練習しました。しかし、強化練習では、二人とも今までの成果がなかなか出ません。別れ際に筆談で「本番強し」。私は、「今年どうしても大会新記録を出したい」と、毎日空に向かって叫んでいました。また、今年はキャプテンとしての重責をおおせつかり、選手をまとめていかなければなりません。全員のパワーが一人一人の競技の力になると信じ、山梨エールを作り試合に臨みました。それぞれの選手が自己ベスト更新を遂げ、私とオサノも砲丸で、そろって大会新記録を取ることができました。二人とも心から喜びオトコ涙です。今年の障害者スポーツ大会は一生忘れることなく心に残っていくと思います。
最後に人はいつどんな障害を持つことになるかわかりません。最初は死のうと思うかもしれません。しかし、命を無駄にしてはいけないのです。必ず開ける道はあるはずです。言葉を交わさなくても、お互い 心の中で支えることもできるのです。私は、スポーツを通じ、こんなにすばらしい仲間ができて、本当に生きていてよかったと思います。

最優秀賞 : きくしまたくみ 優秀賞:なかごめ ふゆき 特別賞 : さかもとゆうすけ、のなかのりこ、かんだひろき、ほのべしんいちろう、ふるやしげお
努力賞 : あかいけえいこ、みやうちのぶゆき、もちづきひろし、しらいまき
なお、最優秀賞 菊島巧さんの発表内容についてのSPコードは、当協会までお問い合せ下さい。

第9回全国障害者スポーツ大会 「トキめき新潟大会」

第9回全国障害者スポーツ大会「トキめき新潟大会」が「トキはなて 君の力を 大空へ」のスローガンを掲げ、10月10日(土曜日)から12日(日曜日)の日程で開催されました。4月、5月に行われた山梨県障害者スポーツ大会で選考された個人選手20名と役員20名を含む総勢40名が山梨県選手団として参加しました。大会では、金メダル14個、銀メダル3個、銅メダル5個の合計22個と昨年より多くメダルを獲得し、日ごろの練習成果を十分に発揮しました。

第9回全国障害者スポーツ大会山梨県選手団選手成績

陸上競技 : 菊島巧 ソフトボール投げ・砲丸投 きん 小宮山浩司 200m・走幅跳 きん 田中誠治 砲丸投げ 銅 小佐野章 砲丸投げ・走幅跳 きん 芦澤文久 砲丸投げ 銅 井戸野伸也 100m 銀、走幅跳 きん 石黒耕一 50m きん 吉田ひとし 走幅跳 きん、100m 銀 水泳 青木真弓 バタフライ50m・自由形50m きん こいけさゆり(背泳25m・自由形50m きん

卓球 : しおたこういち 普通卓球 銅 いぐち靖也 サウンドテーブルテニス 銀

フライングディスク : ほりうちゆみこ ディスタンス 銅 小林弓恵 ディスリートセブン きん

ボウリング : 入間川 良平 銅

山梨県障害者スポーツ協会 会長表彰

障害者スポーツ大会へのご協力や障害者のボウリング競技の向上に多大な貢献をされた、株式会社 だいとう、大丸商事株式会社に対し、山梨県障害者スポーツ協会より感謝状の授与を11月15日(日曜日)に 小瀬スポーツ公園球技場で行ないました。

県民の日協賛事業 11月14日(土曜日)から15日(日曜日)

11月20日の県民の日の協賛事業として、ふれあいマーケット(2日間)ふれあい芸能まつり(14日 クラフトタワー前ステージ)はばたけスポーツ交流のつどい(15日 球技場)が 小瀬スポーツ公園で開催されました。
ふれあいマーケットには22団体が出展し、ふれあい芸能まつりは2団体と個人2名が参加しました。
はばたけスポーツ交流のつどいでは、県保健福祉事務所・市福祉事務所や企業・施設から、63チーム、380名が参加し、グラウンドゴルフ競技を楽しみながら交流を深めました。


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「障害者週間」普及・啓発キャンペーン

毎年12月3日から9日までは「障害者週間」です。県民に対して障害や障害者についての正しい理解と認識を深め、障害者の自立と社会参加の促進を図り、社会への完全参加と平等の実現を図るため、12月3日早朝、甲府駅で普及・啓発キャンペーンを行ないました。14団体29名のかたにご協力いただきました。

第3回障害者パソコンボランティア養成講習会のご案内

今年度、第3回目となる障害者パソコンボランティア養成講習会を2月の中旬に県福祉プラザで開催いたします。内容として、肢体障害、精神障害、知的障害、視覚障害、聴覚障害の対応法など、4日間の日程で行ないます。特別なスキルを持っていなくても、パソコンを仕事や趣味で使っているかたなら、どなたでも参加できますので、まずは一度お問い合わせ下さい。

発声技能指導員審査会で3人の指導員が誕生

県喉会(山梨県喉頭摘出者福祉会)の第5回発声技能指導員審査会は、去る11月21日午後1時、県立中央病院第2会議室で実施され、厳しい食道発声テストに次の3人の方が合格しました。 望月英二(静岡県 富士市) 北村ヒロ子(笛吹市) 鈴木孝徳(笛吹市)

甲府駅構内・ホームへの入場について

設置されていることはご存知ですか?
車いす利用者、歩行困難なかたのために 甲府駅ビル西側(コーヒーショップと駅ビルとの間)の通路から駅のホームへ直接入場出来る連絡口があります。また甲府駅南口の階段に車いす昇降用の機械が設置されております。
どちらも駅員に声を掛け、利用してください。駅員が他のお客様の対応をしている時はすぐに対応出来ない時もあるそうですので、利用される方は時間に余裕をもってお越しください。

あなたも人生のパートナーを見つけましょう ジャンボひまわりの集い

期日 : 平成22年3月6日(土曜日)から7(日曜日)
場所 : 山梨県総合福祉センター かえで荘
主催 : 山梨県・山梨県身体障害者相談員連絡協議会
締切 : 平成22年2月19日(金曜日)
問い合わせ先 : 当協会

結婚相談について

山梨県内に在住の身体障害者のかたを対象に、山梨県から委託を受けて進めている県下唯一の結婚相談事業です。専用の相談室を用意しております。お気軽にお電話下さい。
電話 : 055-252-0100

障害者110番

障害者・家族・関係者の相談に応じます。
(火曜日)から(土曜日) AM9:00からPM4:00
弁護士無料相談(要予約)
毎月第3火曜日のPM1:30から4:30
電話 : 055-254-6266
ファックス : 055-251-3344

編集後記

10月1日に発行された共生55号の一面に甲府駅北口と新図書館への連絡歩道橋(ペデストリアンデッキ)について知事への要望の記事が載っています。要望が実現されることを願っています。
共生は山梨県の障害者の各団体の見解や行事・研修会の予定や報告結果などを編集しています。共生を見て多くの会の活動を知り、皆さんの会の活動がより活発になることを希望します。(山口)

編集委員

委員長 山口充宏(手をつなぐ育成会)
委員 森田次郎(山身連)仁科加代子(山聴協) 小林勝夫(精家連)梶原剛(山視協)斉藤たまき(事務局)